2013年2月8日金曜日

日曜日の朝、本日も測定実習

【報告者:ふた】

⭐日曜日の朝、本日も測定実習♩

通常は、まずバックグラウンドチェックをすることになっていますが…
本日は先ほどまで一晩かけた測定が続いていましたので、
バックグラウンド測定はせずに、そのまま測定に入ります。
(昨夜、CSKー3i〈みどり姫〉は夜なべで福島産りんごを測っていました。
結果は別に、アップされています。)

本日の検体は、ふたが持ち込んだ三重産の麦茶です。
なんと、2010年産。あわわ!!ふっ、古~。
弁解しますが、ふたんちではこういうのは極めて珍しい事態です
(ふたではなく夫が管理していますので)。
ここ数年、この生産者さんの麦茶を一箱(10kgほど)買って常備しているのですが、
一つだけ古いのが戸棚の奥に眠っていたのですね。    
2010年三重県産麦茶



きゃあああー!!見れば見るほど本当に2010年製。
タイムトンネルをくぐってうちの戸棚に現れたとしか思えないわああー。イヤ、イヤッ~。
でも、スタッフのMおじさまはその麦茶を抱っこして!お~よしよし、してくれました!
事故前の貴重で可愛い麦茶です…。
さて、この「検出されるはずのない」麦茶を、測ってみました。

①ビニール袋を入れたマリネリ容器を秤に載せます。重量をメモ。
②ビニール袋使い捨て手袋をはめて(すき間が空いていないか
 チェックするために、容器の下に鏡を敷くのがベター)、検体を詰め詰め!!
 すき間がないように容器を回してチェックしながら。
 割り箸でグッサグッサと刺して(ビニール袋を突き破らないように※)、さらに詰め詰め。
 指先でぎゅうぎゅう、少し盛り上がるのを閉じこんでしまうくらいに。
 でもあまり多いと測定器の蓋がうまく閉まらないから加減して。
③重た〜い蓋をがちょーん、と横方向に引き開けて、検体の詰まったマリネリ容器を
〈みどり姫〉に挿入。蓋をふ たたびふたが(くどい)がちょーん、と閉める。
④パソコンの「測定開始」をクリック!

30分待つのだぞ。
おしゃべり(いえ、真剣な検討事項を)しているうちに…
ぴちょん(おわったよ)、と〈みどり姫〉が教えてくれます。
あとは画面の指示に従いながら、印刷。保存は自動で行われるので必要なし。
⑤結果の解析。        

麦茶測定中のグラフ
 


[放射能濃度]Cs-137:不検出
                         Cs-134:不検出
                           K-40:    139.0 Bq/kg   ±     82.0 Bq/kg

[検出下限]   Cs-134:       6.6Bq/kg
                         Cs-137:      5.4Bq/kg
                           K-40:      67.9Bq/kg

[計数率]      Cs-134:     0.00CPS
                        Cs-137:     0.01CPS
                           K-40:      0.14CPS

セシウムは「不検出」と表示。
グラフのピークは、カリウムしか出ませんでした。
「見たまんま」あ、そ、不検出…と、あっさり終えてしまいたいところですが。
ここでひとつ考えよう!みなさまもいっしょにレッツ《解析》!!

『非電化工房』製のCSK-3i ヨウ化ナトリウムシンチレーターは、検出下限値以下は「不検出」と表示されます。
これがつまり、
🔵放射性セシウムが「まったく含まれない」から「不検出」なのか
🔵検出下限値以下だから不検出なのか
どっちなのでしょう?

この場合にヒントとなるのはCPS[計数率]の値です。
CPS[計数率]とは…1秒間当たりのガンマ線のカウント数。
CPSの数字がある場合は、何らかのガンマ線をひろっていることになります。
そうであれば、
🔵ごく微量のCs-134やCs-137があるのか?
🔵バックグラウンドの変動の影響か?
🔵他の放射性核種の影響か?
これらが考えられます。

今回の麦茶のCPS(計数率)は、ほぼゼロです。Cs-137(半減期30年)のほうで0.01出ていますが、今回の麦茶が2010年産ということもあり、30分測定でよしとして、長時間測定にはしません。

ひとことで「不検出」といっても、「あります」「ないです」とパッキリ単純に片付けてしまうことはせず、検出下限値とCPS(計数率)、検体の情報も合わせて判断していくのが、より実態に近いかたちになるのだろうと思います。
この曖昧さあるいは奥深さが、放射性物質あるいは原子レベルの物体を相手にする…しかもそいつらが食品にまぎれこむ、くっついてくるということの厄介さの一面ですね。
やはり、とんでもない。
測定の経験を積んで、判断の確度をあげていくことで対処していくしかありません。

というわけで今回は、古~い麦茶を安心して飲むとしましょうか。
立ちあってくださった経験ある測定員さんは、「それ大丈夫なんですか…?(別の意味で。)」と、心配そうに言ってくださいましたが、いいの。香りはともかく、色は出るわよ〜

次なる検体は三重県産米麹!本日は三重県特集になりそう。
いくぞ〜千本ノック!

(指導:京都・市民放射能測定所

※ポンジュース(ロット番号が「IB」)を測定するときに割り箸でビニール袋をグッサグッサした結果…
何が起きたかはご想像のとおり♩(オレンジの悲劇)

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